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遠藤浩樹についてもう少し書いてみる。

学生の頃結構好きだった作家さんです。
今も昔もアフタヌーンに「EDEN」という漫画を描いている人です。SFなのにもう10年近く連載が続いています。

EDENを描く前は「インテリヤクザの叔父のいる高校生とヤクザの情婦の女子高生の話」とか「地方から東京の美大を目指していて気になる先輩がいるけどその人には大事な人がいて何もできない高校生の話」とか「演劇部で好いたり好かれたり過去話をしながら公演の準備をする学生たちの話」といった、今のトレンドとは無縁の非常に青臭い話ばかりを描いていた人です。

主人公は社会を見下していて「こんな世界つまらない、なくなってしまえ」とか常に言っていそうなのだけど、気になる女の子には恥ずかしくてまともに話もできなくてつい気持ちと逆のことを言ってしまうような、今で言えば「中2病」のようなタイプの人間が多く、話の展開も主人公の目の高さで進むので、明るくもなく、かといって展開が激しくもないという展開の作品が多いです。

では何が良いかと言えば、その「中2病」っぽい読者には共感できる要素が多いので、その手の読者は強烈に引き込まれるところです。まあ当時の僕ですが。
90年代後半の、これからは個性の時代という風潮になりつつあるけどとりたてて何がしたい訳でもなく、かといって他人と一緒の価値観ではいられない、という冷めていて無気力だけど周りと一緒は嫌な若者達の空気を短編では非常にリアルに描かれていて、それを見て安心したり共感したりしていました。

EDENの3巻くらいまでと短編集の1と短編集の2に収録されている「プラットホーム」は、今読むといろいろ思い出して懐かしかったり恥ずかしかったりします。そういう空気を楽しめる作品を描く作家さんです。

ただ、この人は、その時の自分の身の回りの出来事しか描けないようで、短編やEDENの内容も次第にオヤジ臭くなってテーマや空気感がぼやけていったのが非常に残念です…。

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